当初は「一般社団法人渋谷未来デザイン」と一緒に開始した事業でしたが、現在は独立。オープンイノベーションによって“瀬戸内”という地の利を経済活動と結びつける事業を構想・展開しています。
2020年秋には、瀬戸内に住むクリエイターたちと一緒に、瀬戸内地域の魅力を外に発信するだけでなく、地元の方々にも再確認していただくためのプロジェクト「ふみだす ひろしま」を企画しました。
都心部の方に向けては、瀬戸内にIターン移住して欲しいというよりも、もっと軽いご提案のワーケーション※先としてオススメさせていただいたりと、そういった意味でも瀬戸内と都心を繋ぐきっかけを作れたらと考えています。
※ワーケーション=「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた造語。観光地やリゾート地でテレワークなどを活用し、働きながら休暇を取るという過ごし方。
瀬戸内には、海の色、島がポコポコと浮かぶ姿など“独特の色”があり、モナコやヨーロッパの方々がわざわざここを目指して訪れるほどの場所。私自身も、ここで育っていないからこそ、他にはない魅力を感じています。
地元の方々にとっては当たり前の景色なので何度も通う方は少ないかもしれませんが、こんなにアクセスがいいところに素晴らしいロケーションがあるのは本当に恵まれていること。私自身も、東京ディズニーランドに車で30分走れば行ける距離に住んでいながらまだ3回しか行ったことがないので人のことは言えませんが(笑)、外から見た魅力を地元の方にお伝えしていくことも、重要なことだと感じています。
茶道の考え方で言うと、“日常”と“非日常”は人によって違っていて、この“非日常”が、人生においてとても重要なものです。
人間には、日常をリセットする場所が絶対的に必要で、例えばアーティストや研究者、中小企業経営者などはずっと仕事のことを考えて生きていて、そういう方は場所を移すことで新たな発想や着眼点が見えてきます。それこそがつまり、仕事の中に「観光」の要素を入れてゆくことでもあり、私が「ワーケーション」を推奨している大きな理由でもあります。
瀬戸内が、都心部の人にとっての“リセットする場所”になれば面白いと思っていますし、そういう人々を瀬戸内にいる人々が支える「ふみだす ひろしま」のようなプロジェクトも、どんどん企画していきたいですね。
※観光とは字の如く、光を見る、つまり仏教で言う「悟り」を意味します。